日本からの希少疾患への対応案件

ある日本人のご夫婦は、非常に稀な病気であるウィスコット・アルドリッチ症候群(Wiskott-Aldrich syndrome: 以下、WASと省略)の患者でしたが、体外受精(IVF)と着床前診断(PGT-M)を受けるために台湾で診察を受けました。
WASは免疫不全の病気であり、X染色体上の劣性関連遺伝性疾患が原因です。この病気の発生率が高いのは男性で、女性ではほとんど発生しません。
保因者(遺伝子変異をもっているが、発症していない場合をいう)の子供は50%の確率で罹患し、女児の場合は50%の確率で保因者となります。
運悪く発症すると、免疫異常、血小板減症、湿疹等が起きる場合があり、現在の効果的な治療法は骨髄移植のみとなっています。
ご夫婦は健康な赤ちゃんが生まれることを望み台湾で診察を受けました。2019年7月に台湾で採卵し、11月に再び台湾を訪れてPGT-M(単一遺伝子疾患に対する着床前診断)の結果が正常である胚を移植しました。可愛いお嬢様はたくさんの愛情と健康な遺伝子を受け継いで生まれました。